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Vol.102 世界の「ことば」

 

 今年も残すところあと1ヵ月となりました。年末年始に海外旅行を考えている方もいるのではないでしょうか?

 筆者は海外旅行が趣味ということもありこれまで様々な国に行ってきたのですが、ひとたび「海外に行ってきた」と話せば、目的地がアジアであれ南米であれ、「英語は話せるの?」と聞かれたものです。

 たしかにみなさんご存知のとおり世界の共通語は「英語」となっています。では他にはどのような言語が世界では使われているのでしょうか。

 世界にはいくつの言語があり、どんな言語が公用語として多く使われているのでしょうか。

 今回は世界の言語について調べてみました。

 

1.言語と公用語

 現在、世界には少数民族が使う言語も含めると6,000以上の言語が存在するといわれています。この中で、国家が正式に公用語として定めている言語は約120程度です。

 公用語とは、公の文書や公の場で用いられることが認められた言語のことを言い、日本は都道府県どこに行っても日本語で成り立っているため当然公用語は「日本語のみ」となっています。

 ですが多民族で成り立っている国では、どの言語を公用語とするかがしばしば紛争の種となることもあるため、複数の公用語を持つ国も多く見られます。

 例えばスイスでは、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4言語が公用語として定められています。

 このように複数の公用語を持つ国ではテレビ番組ひとつとっても、「公用語の数だけチャンネルがある」と言われており、同じ番組をいくつもの言語で放送していたりします。

 他にも南アフリカ共和国ではなんと11もの言語が公用語に定められており、隣町に買い物に行くとそこは違う言語で成り立っていて結局英語で意思疎通する。なんてこともあります。

 筆者も旅先でよく「日本では日本語のほかにどの国の言葉を話すの?」と聞かれたものです。

 「日本語だけだよ」と答えると結構驚かれます。

 多民族で成り立っている諸外国から見ると、同一言語のみで成り立つという国は非常に珍しく映るようです。

 

2.話者人口が多い言語は?

 それでは、世界ではどの言語が多く使われているのでしょうか?

 まずは「話者人口トップ10の言語」を見ていきましょう。

 話者人口トップ10言語

 

1位 中国語

 現在世界で最も多くの人に話されている言語は中国語です。ほぼ中国人のみが使用する言語なのですが、なんといっても中国の人口13億人強という数の力で群を抜いての1位となっています。

 また、シンガポールでも中国語は広く使われており、国民の多くが話すことができます。

 

2位 英語

 実質的な世界共通語だとされていますが、話者人口で見ると約5億2千万人と1位の中国語の半分以下の人数なのです。

 また英語のみを正式な公用語として定めている国というのは少なく、人口1,000万人を超える国ではオーストラリアのみとなっています。

 そして意外なことにアメリカは英語を公用語に定めていません。

 英語に限らず、アメリカは連邦レベルではどの言語も公用語に定めていないのです。

 これはアメリカが多民族国家である現れであり、それぞれの民族への配慮だと言われています。

 

3位 ヒンディー語

 使用されている地域は西アジア限定なのですが、インド、ネパール、パキスタンなど人口が極めて多い国で使用されているため、必然的に話者人口が多いという結果になっています。

 ちなみに、ヒンディー語といえばインドというイメージがありますが、インド国民でヒンディー語を話すのは人口の30%程度で、残りの70%はそれぞれの部族に由来する言語を使用しています。

 

4位 スペイン語

 ブラジルを除く中南米のほぼ全てで第一言語として使用されている言語です。アメリカの一部でも使用されており、ニューメキシコ州ではスペイン語が事実上の公用語となっています。

 

5位 アラビア語

 アラビア半島とその周辺、アフリカ北部で広く使われている言語です。

 日本ではあまり馴染みのない言語ですが、イスラム教の言語でもあるため、世界で最も国際的な言語のひとつとも言われています。

 またイスラム教の聖典であるコーランはアラビア語で書かれているため、「アラビア語を母語としないので話すことはできないが、読むことはできる」という人が多く存在するのもこの言語の特長です。

イスラム教徒の人口は世界人口の20%強と言われているので、世界の5人に1人はアラビア語に馴染みがあるというほど影響力のある言語です。

 

6位 ベンガル語

 この言語も日本人にはあまり馴染みのない言葉ですが、バングラデシュ及びインドの西ベンガル州で用いられている言語です。

 使用される地域こそ狭いのですが、人口密度の高い地域ということもあり、話者人口となると非常に多い2億人強となっています。

 

7位 ポルトガル語

 主にポルトガルとブラジル、アフリカ南部の一部地域で用いられている言語です。

 ポルトガルの人口は1,000万人程度ですが、ブラジルの人口約2億人が使用しているため、7位という結果になっています。

 

8位 ロシア語

 ヨーロッパで最も使用者が多い言語であり、第二言語として用いている話者人口も含めると世界で4番目に多く話されている言語です。

 また旧ソ連時代の名残から東ヨーロッパ及び中央アジアでも話されている言語でもあります。

 

9位 日本語

 話者人口は1億人以上と非常に多いのですが、使用者はほぼ日本国内に限定されています。

 またあまり知られていませんが、パラオのアンガウル州では日本語が第三公用語として定められています。

 これは第二次世界大戦前のパラオが日本統治下だったことが関係しているのですが、現在では日本語を日常会話として用いる住民は存在しないとされています。

 

10位 ジャワ語

 インドネシア・ジャワ島の中央部から東で使用されている言語です。ジャワ語は現在どこの国の公用語でもないのですが、日常会話に用いている人口は非常に多く、世界で10番目に多くの人が使用する言語となっています。

 

3.どんな言語が公用語に定められているの?

 ここまで、「話者人口」で見てきましたが、次は「公用語に定められている言語」を見ていくことにします。

言語別の公用語として定められている国数

 

 やはり1位は英語となります。

 世界196カ国のうち56カ国、実に30%近くが英語を公用語と定めているのです。英語が世界共通語と言われるのも納得ですね。

 次点はフランス語となっています。

 フランス語の話者数は世界で7,000万人程度と話者数ランキングこそトップ10入りしていないのですが、公用語としては31カ国で用いられており、世界第二の共通語とまで言われています。

 公用語に定めている国の例としては、フランス、カナダをはじめ、コートジボワール、コンゴ、ルワンダ、カメルーンなどアフリカに多く見られます。

 植民地時代の流れでそのまま公用語化しているということが多いようです。

 3位のアラビア語は中東全域、そして北部アフリカの多くの国で公用語に定められていますが、宗教的な問題からイスラエルではアラビア語を公用語から外すことが決定されたようです。

 4位のスペイン語は、スペインをはじめほとんどの中南米の国々で公用語に定められています。

 5位のポルトガル語は、ブラジル及び植民地時代の名残から南部アフリカに見受けられます。

 

4.最後に

 それでは最後に、世界で使われている不思議な言語をいくつか挙げて終わりにしたいと思います。

★コンサイ諸語

 南西アフリカの一部とタンザニアの一部で使用されている言語です。

 この言語の特長は、舌打ちや空気を吸い込む音で成り立っている点です。

 この言語を使用しない人には言葉として認識することさえできないような不思議な言語です。

 この言語を日本語に翻訳しようとすると、間に何人の通訳が必要なのでしょうかね・・。個人的にはそこが気になります。

 

★モナコ語

 タックス・ヘイヴンであることで有名な、世界で二番目に小さな国家、モナコ公国の言語です。

 このモナコ公国、なんと人口のほとんどが外国籍の住民で成り立っている国で、モナコ国籍者は16%しかいません。そのため公用語もフランス語に定められています。

 こうした自分の国なのに周りは外国人だらけという奇妙な環境にいるモナコ国民にとって、モナコ語は意思疎通の道具ではなく自身のアイデンティティを維持するものとして意味を成していると言われています。

 実際に使うことはなくてもモナコ人としてのプライドで未来に繋ぎ続けている言語の意味を超えた言語です。

 

★ナバホ語

 アメリカ南西部に住むインディアン系ナバホ族が使用する言語です。

 この言語は動詞の変わり方が900種類以上あると言われており、世界一文法が難しい言語と言われています。

 あまりの解読の難しさから、第二次世界大戦時にはアメリカ軍の暗号として用いられたそうです。

 

まとめ

 さて、今回は世界の言語を見てきましたが、みなさまどのような感想をお持ちになりましたでしょうか。

 日本では英語が第一外国語に定められていることもあり、海外イコール「英語」と決め付けがちですが、実際には英語以外にも影響力を持った言語は多く存在していることがわかります。

 そして2020年にはいよいよ東京でオリンピックが開催されます。

 世界中から旅行客が来ることでしょう。

 あいさつ程度でも出身国の言語で話すことができたなら、それも立派なおもてなし。喜ばれること間違いなしです! !

 

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