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Vol.105 高齢化の実態。高齢化はどのように進んできたのか。

 

 高齢化の進行にともなって国や地方自治体では、高齢者に対するハード・ソフト両面でのきめ細かな施策が検討・実施されています。
今後も様々な課題が表面化し、それへの対応を通じて、高齢者向けサービスはさらに充実していくことでしょう。
 日本は高齢化先進国として、世界から注目されている国のひとつです。
 本稿では、5年おきに実施される国勢調査の結果をもとに、高齢化がどのようなペースで進み現在にいたっているのかをみることにします。

 

1.高齢人口

 2015年国勢調査における日本の65歳以上人口は3346万5441人となっています。
 5年おきに実施される国勢調査を1985年まで遡ってこの高齢層人口の推移をみると、伸び率は鈍化しているものの増加し続け、1985年の1247万人の実に2.5倍以上に達していることになります。
 日本の人口総数は1985年の1億2105万人から2015年の1億2709万人とわずか600万人しか増加していないことからすると、高齢層の増加の顕著さがわかります。

図1 65歳以上人口の推移(日本全国)

表1 総人口と65歳以上人口の推移(日本全国)

2.高齢比率

 人口総数はほとんど増加していないのに対して高齢層は大きくその数を増やしているのですから、総人口に占める高齢層の割合は高くなることになります。
 その推移を1985年から追ってみると、全体の1割程度だった高齢層は2005年には2割を超え、2015年には4人に1人以上を占めるにいたっています。
 高齢化は地方行政にとってその対策が課題となっていますが、2015年の調査結果を都道府県別にみても、ほとんどの地域で高い割合を占めていて、3割前後が高齢層という地域もみられます。
 高齢者割合の増加をみても、すべてとは言えないまでもほとんどの地域で、直近の2010年~2015年の間に3.0~4.0超のポイント増と、増加の程度が大きくなっていて、高齢化への対応が急がれる状況にあると言えます。

図2 高齢者比率の推移(日本全国)表2 都道府県別高齢化率の推移 

3.生産年齢層と高齢層

 高齢層を支える若い世代という言い方をよく耳にします。
 支える世代を、ここでは生産年齢層(15~64歳≒就労層)ということにしてみてみましょう。
 生産年齢層の人口は、1995年をピークに高齢層とは逆に減少の一途をたどっていて、しかも減少の程度は大きくなってきています。
 生産年齢層の減少は、経済の活力の減退にもつながっているわけですが、高齢化の問題から捉えると高齢者を支える柱がだんだん細くなっていることを意味します。
 1人あたりで何人の高齢者を支えることになっているかというと、生産年齢人口1人あたり0.44人が日本全国でみた数値です。ですから、2人で1人の高齢者を支える計算になります。
 都道府県の中には0.5人を超える地域も散見され、もっとも大きい(支える側が少人数の)秋田県は0.6人をわずかに超えています。
 少子化が叫ばれて久しい現状です。したがって生産年齢人口の減少は今後も継続し、深刻の度はますます深まるでしょう。

図3 生産年齢人口および生産年齢人口あたり高齢者数の推移(日本全国)表3 高齢人口と生産年齢人口の推移表4 都道府県別生産年齢人口あたり高齢者数 

4.高齢者と家族

 高齢者のいる世帯の割合も1995年以降増加し続けていて、2015年には1995年の1.5倍以上に達しています。
 核家族化が進んだこともあって、世帯総数の増加のペースは人口のそれを上回ってはいます。その世帯総数の増加と比べてみても高齢者のいる世帯の増加は著しく、まさに激増といえるでしょう。
 核家族化が進んだ近年では、三世代家族はかなり少なくなっています。
 国勢調査の集計項目でも高齢者とその家族構成の状況がクローズアップされて、2000年調査以降、より詳細な項目まで集計されています。
高齢者がいる核家族世帯、これは高齢者とその子供で構成される世帯のことです。
 その世帯数は、2000年の約680万世帯から増加を続け、2015年にはその約1.7倍にあたる約1174万世帯に達しています。
 これら世帯のなかでも注視しなければいけないのが、高齢者世帯員のみの核家族(つまり家族全員高齢者)です。
 この家族構成から思い浮かぶのが老々介護という問題です。もちろん同居はしてなくても老々介護状況にあるケースまたは将来的にそうした状況に置かれるケースはあるでしょう。
 しかし、国勢調査データとして捉えることができるのはこの「高齢者世帯員のみの核家族」なので、この数値でみてみます。
 2015年時点で、全国総世帯数約5345万世帯のうちの約539万世帯がこの高齢者世帯員のみの核家族に該当します。実に10世帯のうち1世帯は高齢者だけの世帯ということです。
 都道府県別にみても、2010年ではほとんどが10%未満だったのが、5年経過した2015年には大半が1割以上となり、なかには13%を超える県もみられます。

 さらに心配なケースをみてみましょう。
 高齢者だけの核家族(約539万世帯)でも、高齢両親と高齢子供(約7200世帯)、高齢片親と高齢子供(13万5千世帯)は、これはこれで将来的に心配なのですが、親子の年齢差もあってまだましかもしれません。
 しかし、高齢世帯のなかでも高齢夫婦だけの世帯では老々介護状態になったときの深刻さは深まるでしょう。夫婦ともに要介護状態にならないとも限りません。
 実はこうした高齢夫婦だけの世帯は約525万世帯で、高齢者だけの核家族世帯(約539万世帯)のほとんどがこれに該当しているのです。
 都道府県別にみても、高齢夫婦だけの世帯数は全国的に増加が進んでいて、2015年時点で半数以上が総世帯の1割を超えていることがわかります。

図4 高齢者のいる核家族(日本全国)表5 家族構成別にみた高齢者のいる世帯
表6 世帯総数に占める高齢世帯の割合 

5.独居高齢者

 「独り暮らしのお年寄り」、メディア等でよく見聞きします。
 人の交流が希薄になってきていると言われますが、独居高齢者の場合は介護に加え、孤独死というあってはならないことが起きてしまう可能性もはらんでいます。
 この独居高齢者数も、確かに増えています。
 1995年には全国で約220万世帯だった高齢者の独り暮らし世帯は、増加を続け2015年には約593万世帯と、3倍に達しようかという勢いです。これは高齢者がいる世帯(約2171万世帯)の27%、世帯総数(約5345万世帯)の11%にあたります。
 全世帯でみても10世帯のうち1世帯は独居高齢者のお宅ということです。
 全世帯に占める独居高齢者の割合を都道府県別にみると、大半が1割を超え、京都・大阪以西の西日本では(沖縄県を除く)すべての地域で1割を超えています。

図5 高齢単身世帯の推移(日本全国)表7 高齢単身世帯の推移(日本全国)

表8 世帯総数に占める高齢単身世帯(独居高齢者数)の割合 

6.将来の高齢層

 将来人口については国が推計値を公表しています。
 これによると、少子化(出生率の低下)と平均寿命の伸長(生残率の上昇)によって、高齢化はますます進行すると予測されています。本稿でみた国勢調査データの推移からもそのことは容易に想定できることです。
 そこで、具体的な将来推計値については割愛し、本稿では他の国と年齢構成を比べて、日本の高齢化の将来をイメージしていただきたいと思います。
 図はよく目にする人口ピラミッドです。
比較対象として、世界全体と近隣国である中国と韓国、それと日本とは対照的な形状を示しているインドを掲げました。
 日本の図は2015年の国勢調査を、他国の図は『世界の統計2017』(総務省統計局)のデータをもとに作成したものです。
 高齢化という観点でみるには、各年代の棒がわずかずつ短く(死亡・高齢者ほど多)なりながら上へスライドしていくイメージでながめてみてください。
 日本ほどではないにしても中国、韓国でも近年、少子化・高齢化が懸念されていて、日本の高齢化対策を注視していることが現地メディアで報じられているようです。
 高齢層とこれを支える生産年齢層の比率、幼年(0~14歳)層の少なさ、この日本の特異な人口ミラミッドの形状をみれば、日本の少子・高齢化対策をベンチマークにしようという中国、韓国の姿勢もうなずけます。
 他国にとっての先進事例となるように、将来を見据えた高齢化対策とともに、生産年齢層へと移行する幼年人口の増加に向けた対策(少子化対策)が望まれます。

図6-1 世界全体と他国との比較でみる日本の年代構成(日本、世界)
図6-2 世界全体と他国との比較でみる日本の年代構成(中国、韓国)
図6-3 世界全体と他国との比較でみる日本の年代構成(インド)

 

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